■オリジナル対戦格闘ゲームキャラクターを作るなら断然、「ナックルファイターX」(通称KFX)。無料でダウンロードだ!→GETするならココ

「KnuckleFighter−X」
(ナックルファイターエックス)
ここでは追加キャラクターが、
ダウンロードできます。
使った後の感想をBBSに
頂ければとても嬉しいです。


●燃えろ!サラダ学園●勧善懲悪●その他
●小説風味ストーリーもアリ。
・第1話「サラダの出会い」
・第2話「闘いの前に」
 

第1話「サラダの出会い」


「うきゃー!遅刻ッスー!」
食パンをくわえつつ駆け出す健康的な肌の色をしたセーラー服の女子高生。
彼女、「マルナ・カル」は先週クロアチアから越してきたばかりだった。

「転校早々ツイテないッス・・・。」走りながらそうつぶやく。
が、マルナは自分の足に自信があった。
・・・・間に合う。
あの曲がり角の向こうに『名門サラダ学園』が・・・・・。

その瞬間黒い影がマルナの目の前に飛び出した。
       「・・・・?!」

勢いは止まらずそのまま大きい影にぶつかる!
       「ボスッ!」


       「うきゃ!」

たまらず女子高生マルナは尻餅をつく・・。
「アタタタ・・・・ッス・・・。」

アスファルトに叩きつけられた痛みに目を回しながらも首を上げた。

「・・・・・?」
そこには一人の男が立っていた。
「・・すまん。」
長い髪を後ろで束ねた裸足の男はそう一言残すと、去っていった。


「・・・・・・・・・。」
しばらく呆然とその場に座り込んでいた女子高生、マルナだったが。
「カッコイイッス!!マルナの好みッス♪」
惚れっぽい女子高生、マルナの恋が今始まる・・・。






     名門サラダ学園     高等部     「うめ組」




その教室では転校生の噂でもちきりだった。
かなり可愛い転校生だと男の子の間では盛り上がっていた。


「面倒な者でなければ良いが・・・。」
盛り上がる連中をよそに眼鏡をさわりつつ学級委員長はつぶやいた。

彼の名は京太(キョウタ)。
やはり委員長としては面倒を起こす者に対し、厳しく指導しなければならない。
いつも傍に置いている木刀を指でなでながら、小さく笑った。

「・・しかし、俺は技を使いたがっている・・・・・・・・・・。」
委員長は幼い頃よりたしなんでいる剣術にかなりの自信を持っていた。

・・・・・・・・・・そんな自分が好きなのだ。



「京太、どうしたの?」
流暢に日本語をはなすミツアミの少女が自分の世界に浸る委員長をハッとさせる。
ミツアミの少女はそういう事を知りながら、京太の世界を壊すのが趣味なのだ。

「・・・・ウォンか、驚くじゃないか。」
京太は机に開いたままの参考書を読むフリをした。

ウォンと呼ばれたミツアミの少女は、驚いた委員長の顔が好きだった。
ニコリとしつつ京太の眼鏡に指をのばす・・。
「ダメだ。」
眼鏡を奪おうとする少女ウォンの手を払うと京太は言った。
「今日から転校生が来るらしいが・・・・?」

ウォンはこのクラス「うめ組」の副委員長なのだ。
委員長を補佐する役として意見が欲しかった。

「らしいわね。でも大丈夫よ。」
ウォンはサラリと答えた。

このミツアミの少女、ウォンはあまり物事を深く考えない。
だから簡単に家を飛び出してココにいるのだ。

京太はウォンがかなりの中国拳法の心得があるのを知っている。
それが彼女の自信になっているという事も。

「・・・・・・・・・しかし危険ではある・・・。」
「そうかしら?私は平気よ?どんな問題児でも。」
ウォンは可愛く笑って見せた。







「ガラガラッ。」
教室正面のドアが開き教師らしき男が入ってきた。
「はい、みなさん静かに。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
その一言で教室は水を打ったかのように静まりかえる。



頭が瓢箪のような形のこの教師。


生徒達の間では「ヒョウタンのマサ」と恐れられている。
ミドル級の元ボクシング日本チャンピオンで、目の故障さえなければ
世界をとれたと本人は豪語している。
実際、この教師の指導をクラって病院送りになった生徒は山ほどいる。



「はい、噂で知っていると思いますが今日は転入生を紹介します。」
教室全ての視線が教室入り口に注がれる・・・・・・・。







「ういっス。マルナッス。」
ひょっこり出てきた少女は照れながら頭をかいた。

「おひょー!」

「最高じゃーん!」

「カワイイ!!」

教室の男の子は大はしゃぎ。
「どもども。」
マルナもその声援に応えて手を振る。



そんな中、教室の入り口から長身の男が入ってきた。
「俺が銀次郎だ・・・・・。」


予想外のもう一人の転校生にさっきまではしゃいでいた男の子も止まった。



銀次郎と名乗った男、明らかに普通でない雰囲気を漂わせている。




「えーと、二人の席は新しく用意してある。あそこだ。」
教師が示した場所は委員長と副委員長のちょうど後ろの席だ。
「・・・・・・さすが、ヒョウタンのマサ。考えている。」
京太は教師の指示に感心していた。


「やったー!マルナの隣の席だね♪」
そう言ってマルナは銀次郎を無邪気に見つめた。

「・・・・らしいな。」
銀次郎は自分の席へと向かった。

マルナもすぐ後について歩いた。

その時、銀次郎の前にある生徒が飛び出した。
「こ、子分にしてくだせェ!」


牛乳瓶の底のような厚さの眼鏡をした坊主頭のその生徒はそう頼み込んだ。

「・・・・・・・・・・好きにしろ。」
そう言い残すと銀次郎は自分の席に足を机に投げ出して座った。

その隣にマルナがちょこんと落ち着く。

「問題児かな・・・?」
ウォンが小声で京太につぶやく。
「まだ、いいだろう。様子見だ。」

京太は冷静を装ったが内心は違った。
・・・・・・・・・・・妙に落ち着かないのだ。
背中に汗を感じる。


『なんだ・・?あのマルナという少女、不思議な少女だ・・・・。』
自分の恋心に気付きながら否定したい思いでいっぱいだった。


「今日も天気がいいな・・・・・・・。」


教室の窓から外を眺めると青く広がった空が見えた。

腕を頭の後ろで組みつつ銀次郎はそう口にしていた。

この学校は居心地がいい。
そういう雰囲気というものがある。

「こういうのもあるんだな・・・。」
久しぶりに体が軽く感じた。




「どうしたの?銀次郎?何か見えるの?」
マルナという少女が同じ窓の外を見て銀次郎に尋ねた。



「・・・・・・・・猫だな。」
「え?ねこ?マルナ、ネコ好き♪」


そう言うとこの少女は窓から体を乗り出して外を眺めた。

「風が気持ちイイーっ♪」
大きな風がフワーッと入ってきた。

カーテンが大きくめくれ教室中の教科書がパラパラめくれる音がする。
マルナの黒髪が風に乱れた。




この少女は猫のようだ。


「風のようでもある・・・・。」
銀次郎はそう感じていた。

戻る